2008/02/28

先入観を持たずに工夫する大切さ

この本をパラパラと本屋(石垣島にも本屋はあるのです)で捲り、ウミウシの写真を見たときちょっと不思議な感じに襲われた。
最初、それが何故なのか解らず、思わず購入してお家でじっくり写真集を眺めなおしてみた。
何度か繰り返し写真をみるうちに、「ウミウシの写真にしては被写界深度が深い(手前から奥までピントがあっているという意味です)」ことに気がついた。さらに光が綺麗に回っていることにも。
自分が通常撮影しているウミウシ写真の仕上がりとはずいぶんと違うことから「ムッ・ムッ・ムッ」と不思議に感じたらしい。

実は僕はあんまりウミウシの写真を撮らない。
というのは、一眼レフデジタルカメラに105mmマクロレンズをつけて彼らをアップでとると、どうしても被写界深度が浅く(ピントがあう範囲が狭く)なり、どこにピンを併せるべきが迷ってしまうのだ。
結局、前の触覚にピンをあわせ、その前後はボケているという、ありがちで、かつ全体像を表現するには物足りない写真になってしまうことに落胆を覚え、熱心にレンズを向ける気になれないのでいた。

その秘密を著者は本書のなかで明かしてくれている。
なんとコンパクトデジタルカメラで撮影しているという。
コンパクトデジカメは、一眼デジカメに比べて、被写界深度が深い写真を撮りやすいことが知られている(逆に言えば、ピンが薄い写真は撮りにくい)。
またストロボ光を拡散させる拡散版を自作で工夫することにより、被写体全体に光を回しているという。

かつて水中デジカメ黎明期に、各人がいろんな工夫をしてコンパクトデジカメを水中に持ち込み、様々な成果を挙げていた時期がある。(たとえばアンクルMさんのこのページなんかはその貴重な記録だろう
僕なんかはその時代を経ながらも、「でもやっぱりきっちり写真をとるんだったら一眼レフだよねぇ」との先入観から、コンパクトデジカメを捨てて、一眼デジカメに流れたのだった。

記述によれば著者がコンパクトデジカメを選択している理由は別のところにあるのだが、その他のコンパクトデジカメの長所に気づき、種々の工夫をすることによって、とても個性的なウミウシ写真の世界を確立したのだ。

最近、コンパクトデジカメで結構な写真をとっている人たちも現れている(あの小野にぃにぃのブログの写真ではコンデジも登場し、「コンデジでここまで撮れるのか」とビックリします)。
もちろん、一眼デジカメが優れていることに変わりはないと思うんだけど、けして一眼デジカメが万能なわけではないのだ。
当たり前のことだけど、そのことに気づかされ、工夫し、熱意をもって被写体に向かうことの大切さを教えてくれる素晴らしい写真集だと思う。

2007/12/15

「錦江湾生き物万華鏡」は大推薦本なのです


「錦江湾生き物万華鏡」というまさにサブタイトルどおり、鹿児島は錦江湾の生き物の様子(生態)を生き生きと紹介した本。著書の出羽慎一氏は、普通種からレアモノまで、ただガイドするのではなく、生き物達の行動や係わり合いも含めて紹介し、生き物とお魚への興味を深めてくれることから、一度でもガイドされたダイバーは彼のファンになってしまうという。ガイドというより自然と体験者の間を繋ぐインタープリーターといったほうがいいのかもしれない。
彼は研究者(学生)、技術者(水族館職員)、インタープリーター(ガイド)として20年近く錦江湾に潜り続け、様々な姿を記憶にとどめ記録し探求してきた。その断片を一枚の写真と500字ほどの小文で一ページづつ示してくれる。
パラパラと本をめくり、目に付く頁の写真を眺め文章に目をやる。すると「へ~、このハゼは季節によってこんな色になることがあるんだ」、「このお魚は湾内で集団になって年に一度だけ産卵するんだね」、「人間の捨てたゴミも活用してしたたかに生きている生き物もいるんだぁ」などと興味深い事実を知り、深く頷きながら、しばし、自分のホームグランドの海にも思いをはせる。
そんな読み方が楽しい一冊だ。
海の生き物の様子をもっと知りたいと思う貴方に是非お勧めしたい本でございます。

2004/10/17

決定版日本のハゼは凄すぎです!!

 ここ5年ほどの海をテーマとした図鑑類の充実にはすごいものがある。

 先鞭をつけたのは、先鞭をつけたのは阪急コミュニケーションズ(TBSブリタニカより出版事業を買収し設立された出版社)だろう。
 ハゼガイドブック幼魚ガイドブックウミウシガイドブックエビ・カニガイドブックなどのネイチャーガイドブックシリーズは、それまで親しみやすくかつ図鑑として豊富な情報をもっていた書籍が日本の海水魚(山と渓谷社)ぐらいしかなかった当時、衝撃的であった。

 だって、ハゼ、幼魚、ウミウシなどのマニアックな素材をピンポイントで同定に耐えうる美しい写真を添えて図鑑&写真集として示したのだから。
 これをきっかけに、デジカメ水中写真ブームとも相俟って、海にますますはまってしまった人はけして僕だけではないだろう。

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