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2004/08/13

僕が石垣島を選んだ理由

 一口に南の島に住んでみたいと言っても、人により思い浮かべるイメージはさまざまだろうし、実際に住んでもいいなと思う条件もまちまちだろう。手付かずの自然に囲まれて自給自足したい人、十分な広さの畑を持ち静かに農業を営みたい人、近代的な設備で都会にいるのと同様に暮らしたい人。
 ダイビングを始めて、沖縄の島々を巡ったり、ミクロネシアの島々に遊びに行ったりしながら、僕も、自分が生活可能な島そこでのライフスタイルをあれやこれやと考えていた。
 僕は南の島にわざわざ住んでいったい何をしたいんだろう? 得られる快楽の代償をどこまで我慢できるんだろう?

 あまたある候補から、まず、海外は考えられなかった。バリ、セブ、サイパンなど、暖かく海がきれいな地域はたくさんある。物価も信じられないほど安いことがなんといっても魅力だし。この価格差を活用して充実した南国ライフを送る日本人も多いらしいし。
 でもね、僕は英語がとても苦手なのです。というか日本語をしゃべるにも難があってコミュニケーションのへたくそな僕が、海外で言葉と身振りを駆使してコミュニケーションするというのはとても考えられないのである。

 で、国内である。
 まず必要だと考えたのがある程度の利便性である。交通、病院、商店。生まれてこの方、世田谷、水戸、札幌、筑波、横須賀等の都市にしか住んだことのない僕にとってある程度の都市基盤がないというのはちょっとつらいのであった。妻もそれほど丈夫ではないので近くに病院がないところも躊躇されたし。それに南国ライフを求めてはいるけれど、自給自足とか原生的な自然環境とか、そういうワイルドなものを嗜好しているわけでもないし。
 そうなると奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島といったあたりが選択肢になってくる。
 沖縄本島は、南部は都会過ぎる。かといって北部はちょっとワイルドすぎるかなぁ、と感じられた。
 奄美大島は、いいダイビングショップにめぐり合うことができず、海のよさを堪能することができず、通うきっかけを得られなかった。
 宮古島は、海は実に素晴らしいのだが、まっ平らな山のない島であり、森のようなボリュームのある緑が少ないことが僕の嗜好にあわなかった。
 その点、石垣島は、僕にとってはいろんなことがちょうどよかった。
 人口5万人近くが住み県立総合病院もある都市である一方で、車を10分も走らせれば自然の風景が広がる。美しい樹林に覆われた山のある風景は、海とはまた異なる魅力がある。水が豊富で、温暖な気候とも相俟って、年に3回もお米がとれる(そう、石垣米がちゃんと売っているのです。新鮮だからおいしいよ!!)。日本の南の交通の要所であり、竹富、黒島、西表島にはかかっても1時間、与那国や宮古も近い。台湾だってすぐである。もちろん海の懐は深いし。
 とまあ、自然性と利便性の調和のとれかたがちょうどよく思え、「いつか移住するならこの島」と思うようになったのだった。

 そんな風に狙いを定めてからは、少しづつ情報を集めはじめていたんだけど、とても役にたったのがインターネットの存在だった。もし、僕があと20歳年上で、あと10年早く石垣島移住を検討したとしたら、あまりの情報の少なさに挫折したに違いない。
 僕が検討を始めた数年前は、本島から移住した先輩方がちょぼちょぼとインターネット上に情報を提供し始めた時期だった。まずは、石垣島に移住し観光業を営む方のサイト。「あぁ、こんな風に実際に移住に成功した人がいるんだなぁ」と、ずいぶんと刺激された。そして南国応援隊。生活に根付いたとても具体的な情報は、可能性を検討する上でとても参考になった。ほかにもダイビングショップやエコツーリズムを始めた方のサイト、自費出版をする方のサイト等々、いろいろと刺激を得ることができた。これら情報発信してくれた移住の諸先輩方にはほんと感謝しているのである。
 こうしたネットの情報と、自分が毎年何度か通っては得た体験とを重ね合わせ、イメージを固めていく生活を何年も送り、「いつかは移住」の想いを心に秘めて日々を送っていたのであった。

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